こんな素晴らしいアニメがあったんだな……ってなりました。シンプルにすごかった
アニメの公式サイト、あとあとドメイン手放してドメインジャックされがちだけどまあ……(時間が経ったらアクセスするのはやめておいたほうがいいかもしれません 2026-01-10)
単発の1話ずつの感想ではなく、アニメ全体の話をしようと思う
でもアニメの話する前に一つ。オープニングの話をさせて
音楽の知識など全く持たない俺でも「は?」ってなる。「これ音外してない?」ともなるが、まあおそらく外してないのである
不協和音?が意図的に入れている。これにアニメーションのダンスに合わせて進めるのはハイセンスすぎる。アウトロが急に明るい曲になり、そして最後の最後で急にダンスをやめてお辞儀をする。アポカリプスを題材にしているだけあって不穏さや不気味さに一切のためらいがない。シンプルにオープニングの出来が良い。ダンスの作画すごすぎる
音楽の知識は全く無いのでここまでにするが、作風に関して言えばこのオープニングがほぼ全て語ったようなものだろう
フル版もぜひ。不協和音の入れ方が前衛的すぎる(と思う)
アニメ自体はブラックジョークとシュールギャグからなる作品。人間が出てこないので人間に対する皮肉が容赦ない。主人公であるヤチヨが基本にして描かれているが、ヤチヨもヤチヨでズレているので最終的な出力は非常にズレている。意図的にズラしているという方が正しいか。描く上で人間を登場させない選択をしているので人間同士で起きるようなことも宇宙人とロボットの間で起きる形になり、故に容赦がない。容赦がなさすぎてビビる
人間同士で描くと角が立つものもこうすれば描けるのだと言わんがばかり。無理解、衝突、その他諸々が遠慮なく描かれる。例えば人間とロボットでも同様の話は描けるかもしれないが、あまりにも角が立ちすぎるだろう。ロボットと宇宙人なら問題ないのである。まあ若干のカリカチュアは感じるが人間を絡ませて角を取るぐらいならこっちのほうがいいだろう。それはわかる
あと登場人物たちの時間間隔が人間とだいぶ違うので1話で数十年は平気で経過させるあたりも「時間が解決するもの」に対する描写がかなり特異になっている。人間の「時間をかけてやる」が作中では「まあ当然このくらいかかるでしょ」という感じで処理される。時間をかけなければならない事柄に関しても容赦ないとも言える。時間をかけずに手っ取り早く……という考えが作中にほぼ一切出てこないのは、無言が故に雄弁に意図的に描いていない(あるいは描いている)のだと思う
何より構成の気合の入り方がすごい。12話構成が無駄なく後半に向けてガンガンアクセルを踏み込んでいく
ズレの描写もそうだが、後半にかけてのブーストのかけ方は気合が入りすぎていると言ってもいい。最後の4話(8話以降)ぐらいなんか何だこれの連続であった。でも6話ぐらいからもうだいぶぶっ飛ばしてるんだよな。なんなら2話ぐらいからだいぶぶっ飛んでるんだが後半のぶっ飛びからみるとだいぶ抑えめに見える。こういうブーストのかけ方はアニオリ作品の独自性だと思う。昔は3話でフックをなんて言われてたけど配信メインの時代になってからそういうこと言われなくなってる気がするね(これはだいぶ前からアニメ全体でそういう傾向が出てきてたと思うけど)。いいことだと思うというか、むしろ定型的なフォーマットというのは陳腐化するので当然とも思う
単発の1話の話はしないと言ったが、作中の構成と演出でバッチバチに尖ってた11話の話だけちょっとする
このアニメはところどころの演出で「甘えない」という傾向があるように思う。自認として作ってる側というのは若干傲慢だが、このアニメでは作る側の甘えがあまり感じられない。その最たるものが11話だと思っている
11話は「言わない」「喋らない」という点がかなりこだわっている。ここで甘えるなら環境チェックロボと一緒に歩かせたりするところだがそういうことをしない。あくまでヤチヨ一人で歩かせて、起こる出来事をそのまま描くことに集中している。そのうえでヤチヨの行動を説明しており、ここまで絵やアニメーションで表現して言葉に頼らないのは素晴らしいなと思ったし、キマりまくってて面白かった。同時に今まで結構秘匿気味であった世界観の深堀りもあり、ヤチヨだけを描くことでヤチヨの価値観を表現しているのは素晴らしい
総じて話の作りもよく、1話1話のクオリティは非常に高い。全体の構成も見事。SF的なポイントもある(主体としてみるには若干不足感はあるが)。アニメを見る目はあまり芳しくないと思ってるが、この作品はアニメーションとしてやるべきことをちゃんとやっているとてもいい作品だったと思う

