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Nintendoの1万円する目覚まし時計を買った

作成日2024/11/02 12:32:34 JST
最終更新2024/11/02 12:32:34 JST

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突然だが付加価値というワードの話をしたい

付加価値とは生産等によって新たに加えられた価値のことを言う

現代の経済というの付加価値の付与を連続することで価格を上げていくのが基本である。鉄鉱石を鉄に、鉄を鋼鉄に、鋼鉄を鋳型に流し実用的な形状に……と連続することで価格を上げる

要するにプラスしていく価値のことを付加価値というわけだ


……と、中学の社会の教科書のような話はさておき

では「目覚まし時計」にどんな付加価値を与えることができれば、その価格は競合の10倍にできるだろうか


本題

タイトルの通り、1万円する目覚まし時計を買った。これである

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https://www.nintendo.com/jp/hardware/alarmo/index.html

目覚まし時計の価格としては1万円は高い。破格に高いといってもいいと思う

Amazonで適当に目覚まし時計を調べると、安価なものなら1000円を切る。ぱっと見ただけでも5000円を上回るケースはないだろうし、はっきり言ってその価格の目覚まし時計はすぐには想像できない

だがこの目覚まし時計は1万円を少し超える。どうやら売れ行きは悪く無いようで、少なくとも抽選販売になるぐらいには売れているようである

つまり(おそらく)、少なくとも、作っている側の想定を超える需要が発生しているという認識で問題ないだろう


先に言っておくと、私はそれなりに任天堂の信奉者である(オールドインターネットな雰囲気を少し残しつつ丁寧な言い方だと思うので一旦信奉者で行く

そんな信奉者でも価格を見たときは一瞬戸惑った

ただ、最終的に購入に踏み切っているのは、要は先述した「付加価値」が1万円分(厳密に言えば目覚まし時計に対する付加価値としてみるなら8000円ぐらい?)に相当すると思ったから……になるわけである


Alarmoの一番の特徴は「触らなくていいこと」である。もっというと「ベッドでの動きに合わせて動く目覚まし時計」である

たとえば目覚ましを止めたあと、二度寝をしているとまた目覚ましがなる。夜もベッドに入ると睡眠導入BGMが流れる

ベッドの中で右に左に動けば、モニターの中でキャラクターが右に左に動く

朝の時間に目覚ましが鳴るより先に布団から離れれば目覚ましがならない(これは本当に便利


こういってはなんだが、個人的には腕時計が心拍数を取るより直接的に「便利」に思った。もちろん腕時計が心拍数や歩数をカウントすることは将来的にはプラスになると思うが、便利かというとそこまでだと思う

あと地味にいいところなのだが、基本動作には特にインターネット接続が必要なくアカウント登録も必要ない(インターネット接続後にニンテンドーアカウントと連携させる機能はある)。最近の腕時計はだいたいスマホアプリを入れて登録して……とかが必要なのでこれは本格的に真似されてほしい


この目覚まし時計はゲームの音楽が扱われているが、ゲーム自体はない。音楽やキャラクターは任天堂のIPが使用されているが、そこは本質ではない

それを入れた目覚まし時計だけでよければ、動きセンサーなるものを入れて触らなくていい目覚まし時計を作る必要はない

動きセンサーを使い「触らなくていい目覚まし時計」という新しいものを提供した、あるいは提案した任天堂のやり方は付加価値の概念に即した正しいやり方だと思う


ところで、開発者インタビューを見ているとどうも開発を主導した人たちは将来この「触れないで済む目覚まし時計」がスタンダードになるのではないかと思ってるようだった

実際可能だろうか? 個人的な見解だが、おそらくフォロワーは出てくるが普及するかはわからない、といったところだと思っている


まずこれを真似しようとすると、動きセンサーなるものの対応が必要になる。これは24GHzミリ波センサーを用いている(FCCというアメリカの無線機器の申請書類参照)

「この電波はどのくらいの距離にどのような形の電波を反射する壁があるか」がわかるが、色や電波の当たらない後ろ側の形はわからない。また電波が通り抜けるものも一切認識できない

昨今だと周波数は異なるが、自動車の衝突回避自動ブレーキのセンサーに使われることが多いセンサーである(LiDARとはまた別)。ちなみにメーカーによって別の技術を使うので不採用だったりもする(例えばTeslaは使ってない

この手のセンサー類は専門外だが、開発者インタビューを見る限りこのレーダーでベッド上の人の動きを取るのはそこそこ苦労してそうである。というか苦労しているっぽい

「これ真似るか?」と言われると、正直「かなり嫌だ」という感想を抱く


ただ手段がないわけでもない。普通にカメラを使うとかでも対応はいくばくか簡単に済ませられると思う

いや実際のところカメラを用いた画像認識でも寝てる人の認識はそこそこ大変そうではあるが、画像は人の目で見て正誤の判定ができるため多少楽だとは思う。あとソフトウェア(ライブラリ)もハードウェアも充実しているのは当然画像の方だ

でもそれを使わないのであればかなり大変だろう。まあもちろん大資本を持つ会社ならなんとでもなるだろうが

個人的な一言を添えておくと、カメラ付きデバイスというのは相当に信頼しない限り置くべきではないと思うので、よくわからないメーカーのカメラ付きデバイスを部屋に設置するのはおすすめしたくない


はたして触れない目覚まし時計は一般化するだろうか。するとしたらいつ頃になるだろうか

もしAppleやXiamiのようなワールドワイドなテックカンパニーが任天堂のマネをしたとなればそれはそれで痛快だし、単純な真似だけでなくなにかさらに付加価値を足してくるだろうからそれは楽しみでもある

もちろん、あんまり魅力的に映らず真似されない可能性もあるのだが

答え合わせ。CLO-001だった(一部資料でCLO-001というデバイスが任天堂から提出されていることだけバレていた)

ニンテンドーサウンドクロック Alarmo | 任天堂

ニンテンドーサウンドクロック Alarmo | 任天堂

ゲームの世界で目が覚める、不思議な目覚まし時計。2024年10月9日(水)発売、『ニンテンドーサウンドクロック Alarmo』の公式サイトです。

任天堂ホームページ

https://www.nintendo.com/jp/hardware/alarmo/index.html