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このサイトはAIを使って楽して作ったとは言えるけど、AIが作ったとはとても言えないと思う

作成日2025/06/22 15:21:51 JST
最終更新2025/06/22 15:21:51 JST

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先に言っておくが、私は統計学や機械学習の専門家ではない

専門家ではないが現状の「AI」はとてもインテリジェンスやアジリティの領域までは至っていないという認識である。その領域には現状のアプローチでは厳しいというのも私の理解である

これから書くこともおそらく他の人がさんざん書いてるので個人的な考えのまとめ以外の意図はない


現在の各種サービス等で生成AIを用いたサービスはすでに多数展開されている。Google検索すれば出てくるし(正確性はさておき)、画像を見たときその何割かはすでに生成AIによって出力された画像だったりする。もはや触れないことは不可能なわけで、付き合い方を考えるフェーズにとうに入っているとも取れる


実際のところタイトルからも分かる通り、このサイトも結構な割合で生成AIの書いたコードが混じっている。使用したサービスはGithub Copilotで、LLMは(たぶん)GPTの3.5だと思われる。曖昧なのは特に設定せずデフォルトのまま使っているからで、まあ性能的には中ぐらいで昨今の特別いいと言われてるものに比べれば格段に劣るぐらいのはずである(Claude Codeとか使ってみたいけど高えんだ。でもMCPの整備とかは試してみてもいい気はする

ただ、そういった生成AIを用いたこのサイトを「AIが作った」とは言わないだろう。まあもしかしたらそう糾弾する人も出てくるかもしれないが、真っ当に技術がわかっている人間からすれば「それはないわ」となると思う。最近の優秀なサービスなら自然言語の命令でもガワが似たところまでできるかもしれないが、バックエンドの構造もクローンできるかというと多分無理だろう(無料枠で済ませるため結構面倒なことをしている)。もちろん将来の可能性はわからないが


興味がある人はこちら

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https://github.com/maretol/maretol-base


これは思考実験だが、音楽や画像ではどうだろうか

例えば画像を生成するとき、適当なプロンプトを入力して出てきた画像をそのまま使う場合、まあシンプルに「生成AIにて出力」と書かれるだろう

生成した画像が気に入らず、たとえば特定のキャラで一定のシチュエーションで画像を出したくて、ああでもないこうでもないと試行錯誤したらどうだろうか

多くの場合それでも「生成AIが出力した」と認識する気がする。その壁は、もちろん時間の問題ではないだろう。時間の問題だと時間をかければ『描いた』と表現していいわけだがそれは直感に反するし、そもそも時間をかけずに手で絵を描いたら『描いたと言わない』わけでもない

これは完全に余談だが手で絵を描く時間と同じぐらいの労力をかけてAIに理想の絵を出してもらおうとしている人がいたらたぶん手で描いたほうが早くなる。絵を描くという作業は基本的に「ふんわりした脳内イメージをいかに具体化するか」なので、そこまで具体的なイメージが湧いてる人はすぐ絵が上手くなるはずである

さておき、どれだけ労力をかけても生成AIが出力したらそれは直感的には描いたとはなかなか言わないだろう


ではGithub Copilotのように、線を引いたあと「次の線はここにこんな感じで引きたい?」とガイドを出す生成AIが仮にあって、それを利用して何割かの線や塗りを生成AIがやったらどうだろうか

イメージしづらいので別の例を出すと、イラストを描いてSNSのヘッダーに使おうとしたが、サイズの都合でもっと横長にしたいとなり、左右の1割ほどをいわゆる生成塗りつぶしで生成して埋めた場合、そのイラストは「描いた」に入るだろうか。もちろん生成塗りつぶし以外はすべて手で描いたし、AIの助けは借りてないとする(昨今だと資料集めで引っかかる可能性はあるが一旦考慮しない。それは他のケースでも該当するので)

上記のような逆トリミング(今名付けた)は、すでに実行可能である。やってる人はやってるのではなかろうか(わかんないけど)。もちろん逆トリミングして埋めたところが気に入らないでリトライしたり、あるいはちょっと手作業で修正したりするケースもあるだろう。その場合、そのイラストは描いたと言えるか?


言ってしまえばこのサイトのコードはそうやって書かれたものである。ただ、コードとイラストでは「他所と連携する必要がある」部分の有無が差異としてある

このサイトはホスティングでCloudflare Workersを、コードの保存とGitのリモートリポジトリでGithubを、CMSは別途ヘッドレスCMSサービスを利用している。ホスティングとコードの保存はなくてもギリギリサイトとして成立するので一旦置いておいても、CMSは外部サービスを利用している

どれだけAIが進化したとしても、勝手に外部サービスを登録するということはないだろう。そのサービスの選定と契約は人の手でやっている。なぜならそれは人間同士で行う必要があるもので、それをAIが代理で行う未来はサービス論とその対価の関係が相当変化しない限り訪れない(絶対に訪れないわけではないと思うが)

では契約は人間がやって、あとは勝手にAIがやってくれたとして、生成されたサイトは「AIが作った」というべきだろうか。まあそこまで来たらAIが作ったというべきな気はする。このサイトはコードの量で言えば半分から多くて7割ぐらいがAI生成だと思うが(測ってないので体感)「AIで作りました!」とは言えない。「AIで楽しました」は言えるだろう。故にタイトルなのだが


同じ理屈で、上記の通りイラストの外側で両脇の1割ぐらいをAIが生成して埋めたイラストがあった場合、AIが生成したというべきだろうか

正直、言うべきではないというか、ちゃんと言葉にするなら「両端1割ずつ生成AIで塗りつぶし」あたりだろうか。文脈としては「ポーズ参考あり」「服のデザイン参考あり」とかそのあたりと同じ感覚である(これを同じと捉えるかは人によるとは思うが)


音楽の場合どうだろうか。最近だと映画の「岸辺露伴は動かない」で生成AIによる音楽を利用していた

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https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2506/17/news107.html

また、それらが著作権的には問題ないという前提であることは制作会社も語っている(こちらは声明というよりコラムで乱文なのでリンクしないが、上記リンクから見れる)

事実として著作権を侵害していなければ、作曲された音楽が手で書かれていても打ち込みで作られていてもAIで出力されていても、問題はないはずである

生成AIの場合、学習データのデータセットとして既存の曲をどこまで利用していいのかという問題もあるが、出力されたものに対しては少なくとも問題ない(そこで後者が問題になると思うのであればそれは『潔癖性』の問題だと思う。気持ちはわかる

もっとも、潔癖性の家ではあるが今の時代はまだ「生成AIを使用しました」の看板はあったほうがいいだろう。一見してわからないならなおのこと

イラストの「参考あり」も似たようなものだが、現状ではこの辺は言っておいたほうが角は立たない。3DCGやクリスタの素材利用なら言わないケースが多いが、まあそのあたりが現時点での心境の壁というべきなのだろう


では生成AIが適切に利用されたら問題は発生しないか?という点に関していうと、それもそれで違う。違うというより別種の問題に関してもっと論じられるべきである

例えば人気のイラストレーターの絵柄を再現した生成AIイラストを大量に流すとか、そういった行為は著作権は侵害していないが営業妨害ではあろう。見ている人を騙す意図があればもちろん悪い行為だし、成人向けを描かない人の名義で成人向けイラストを出せば妨害行為に当たるだろう

その場合手作業(つまり『再現して描いた』)で同じことをしたら営業妨害にならないか?と言われると、これまた難しいラインではあるものの、断言される範囲には入らないだろう。なぜなら手作業であれば描くのに最低限の時間はかかるし、もし仮にそれをやろうとしても妨害するにはそれなりの人数と手間がかかるわけである。だいたいそんなことできるなら人の妨害してないで自分の名を売ったほうがいい。そっちのほうが生産的だし利益も得られるだろうし、手の込んだ嫌がらせよりよっぽど前向きになる

そんなことが成功する前に別のことで成功するだろう。マフィアが隠れ蓑に使う予定のレストランが繁盛するような話で、マフィアと違って足を洗うのは簡単な状況だったらさっさとレストランに本業を移したほうがいいという話だ


生成AIの問題は、本質的には量の問題だ。生成したもの自体が良いか悪いかは本質的にはどうでもいい(そもそも性能=生成物の品質と考えられているので勝手に上がる

人が生み出せない量を生み出して流し込めるのが生成AIの利点であり、かつ問題である

コンテンツをチェックする必要があるプラットフォームなどでは、大量のデータに対して機械学習(こっちも広義ではAI)で判定するか、人力で頑張ってやるかしかない

前者なら大手SNSプラットフォームのように「不明な判断でコンテンツがブロックされた」となり、前者となれば「生成AIは受け付けられない」とならざるを得ない。今の生成AIをプラットフォームが受け入れるか入れないかの軸はここでしかなく、それがクリーンであるかとかははっきり言って問題視していない

大量に生成された画像や動画でストレージを圧迫されればプラットフォームとしてはシンプルに困るわけで、そっちのほうが「我が事」になる


閑話休題

今回の話は、もともと「このサイトはAIが作ったと言えない」というところからスタートしている

で、どこまで行ったら「AIが作った」と言えるだろうかと考えたのが始まりだ

AIが全部勝手に作る未来はまだまだ先だろうし、何ならそんなことできるならもうシンギュラリティじゃね?ってところでもあるので

個人的に開発や絵、その他諸々にもっと高いレベルの生成AIが組み込まれるのは、ローカルのマシンで今と同じレベルの処理が動くようになるぐらいまで待たないとダメじゃないかなぁと思ってたりする

今の時点でもある程度までハイスペックなグラボと削ぎ落としたモデルを使えば動くには動くようだが、これではまだ足りないよなぁというのが直截な感覚である


それはそうとしてClaude Codeとかは使ってみたいが

無間の金と時間がほしい

GitHub - maretol/maretol-base: Maretol Base のコード

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映画「岸辺露伴は動かない」劇伴制作元、AIの利用について声明 “1万6000文字超”で訴えた、AIを使う理由は?

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作曲家・菊地成孔さんが率いる楽曲制作グループ「新音楽制作工房」は、生成AIの利用に関する声明を出した。同グループを巡っては、映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」の劇伴をAIを活用して制作。Xで賛否を巻き起こしていた。

ITmedia AI+

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2506/17/news107.html