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テーマはもっと深いところにある自分の動機 「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」その3

作成日2025/04/26 10:55:06 JST
最終更新2025/04/26 10:55:06 JST

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続き


今回はテーマの話

テーマは漫画の要素である「キャラクター」「ストーリー」「世界観」をつなげる存在

これらが融合するものをテーマとして扱っていると説いている

どんなときに作者がテーマを扱うのかというと、例えばしっくりこないとか、行動原理が定まらないとか、そういうときに扱うのだという

それこそ世界観も絵も、どうするべきか迷ったならばテーマに沿っているかを考えるべきだと述べている。迷ったときに帰るのはテーマなのだ


テーマと絵の合わせ方は、実例としてジョジョを著者本人が上げているが、サスペンス・アクションの性質はあの絵でなければ迫力を出せない、という感じ。逆に言うと日常ものと言われるほのぼの作品で劇画調の絵が出てきてもそれはそれでリラックスできず合わないだろう、という話。風刺漫画で動物のキャラクターが出ているのも、可愛い動物がやるから許されるのではないか、という考え

また他作品の例ではドラゴンボールを上げているが、あれは平面的な絵でアクションシーンの奥行きが出せる天才の技だと称賛している。これは完全に同意


テーマについては他ジャンルの話としてローマの休日の例も出している

ローマの休日は当時のアメリカの赤狩りとハリウッドの関係が、作り手に影響を及ぼしていた背景を説明し、そこから「自分の持つテーマ」についての話もしている

テーマというのがないと作品を作り上げるのが難しく、新人漫画家がテーマを持てない(書きたいテーマを見つけられない)点にアドバイスをしている

自分の中の動機を見つけろ……というのが荒木先生のメッセージらしい


前巻の時点でこのテーマについてはかなり深く覚えていたので、その後の作品鑑賞ではテーマを見出そうと考えるようになった

個人的に興味深いと思っているのは、テーマ(主題)はファインアートでは割とオープンに描かれる。そもそもテーマはみんな知ってるよねという前提になる(たとえば聖書のシーンとか)。対して娯楽作品ではどちらかというとテーマは奥深くに横たわらせて「解釈」することが求められている

これはおそらく娯楽作品としては面白さを先に表現する必要があるのに対し、ファインアートは(特に古典的なものは)文化的素養・教養のマウンティングが土台にあるからなのかもしれない

逆に娯楽作品でテーマを表題的に扱うのはかなり難しいということなのかもしれない(おそらく不可能ではない、というか可能)。ただ多くの場合そうした作品はテーマばかりで細部が雑だったりして作品としてのレベルが低くなってしまうのだと考えられる

同時に娯楽作品でもテーマを表題的に扱った作品はあり、そこが上手く行った作品はとても評価される。例えば1stガンダムとか、AKIRAとか、そういうレジェンダリーな作品はそういう傾向がある……気がする


遅くなったがこれで四大要素は一通りまとめて自分なりに飲み込んだ

あとは悪役について

悪役がなぜ必要なのか、悪役の意義はなにか、そして悪役の作り方について

ストーリーは重要でも二番手、世界観とは状況 「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」 その2

2025/03/22 20:49:34 JST